Wi-Fiが遅くなる原因は?ちょっとした対策で改善が可能

Wi-Fi

リモートワークに移行したもののネット環境が悪くて思うように仕事ができないという人が結構いるようです。
この記事では、ネットワーク環境がなぜ悪くなるのか、そしてどのようにすれば改善できるかについて分かりやすく解説しています。

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コロナ禍のネット環境

4月7日に東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡の7都市に緊急事態宣言が行われ、そしてその緊急事態宣言は4月16日に範囲が広がりました。緊急事態宣言自体には法的罰則はありませんが、期間中は人との接触を7-8割削減するよう求められています。

コロナの蔓延に合わせて3月から企業も徐々に在宅によるリモートワークへ移行してきていますが、緊急事態宣言が行われたことによりリモートワークへのシフトがますます加速されています。コロナの広がりを抑えるという観点では非常によいことですが、一方でリモートワーク利用者の急激な拡大により課題も出てきました。

リモートワーク利用者が急激に増えたことでネットワークへのアクセスが混雑し、これまでと比較して通信速度が遅くなってしまっている為、業務に支障をきたしている場合があるという問題も見えてきました。

ネット環境が悪くなる原因

在宅によるリモートアクセス時にネットワークが遅くなる原因はいくつかあります。一つは自宅と会社のネットワークやインターネット間のネットワークのスピードが出ていない為、もう一つは自宅内のネットワークで速度が遅くなってしまう為です。

会社のネットワークやインターネットに接続するためには、多くの場合は以下のとおりブロードバンド回線の利用もしくはモバイル回線の利用の2種類になります。

ブロードバンド回線での接続に関しては、光回線を利用しているケースが多く、その場合は1Gbpsもしくは10Gbpsでの接続になるため、ブロードバンド回線自体がひっ迫するということは通常はありません。ただし、マンションやアパート等の集合住宅で利用している場合、一つの回線での利用者が多くなると当然通信速度は遅くなっていきます。

モバイル回線での接続においては、契約している通信事業者にも依存しますが、例えばドコモでは最大1.7Gbpsの速度で接続することが可能であり、最近ではかなり速度が速くなっています。ただし、これもブロードバンド回線同様に利用者が増えるとその分速度が遅くなりますので、人が多く集まる場所では速度が遅くなることが多く、住宅街においても時間帯によっては速度が遅くなってしまうことがあります。

このブロードバンド回線やモバイル回線をアクセス回線と呼びますが、アクセス回線がひっ迫して通信が遅くなるようなケースではユーザはどうすることもできません。できるとしたら、より空いているアクセス回線事業者に契約を乗り換えることですが、契約変更となるとかなり大変です。

一方で、通信速度が遅くなるもう一つの原因として宅内のネットワーク環境があります。こちらは宅内のネットワークであるため、問題が明確になれば相応の対応が可能となります。

では、どのような場合に宅内のネットワーク環境が原因で通信速度が遅くなってしまうのでしょうか?

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Wi-Fiの干渉がネット環境を悪くしている大きな原因

先ほどの図で示した通り、宅内では大多数の方がWi-Fiでパソコンと接続をしています。したがって、問題があるとしたら、このWi-Fi部分になります。

以下は、ある地点によるWi-Fiの電波をモニターしたものです。以下のグラフの一つ一つの波形がWi-Fiを示しています。つまり、この地点においては、数十個のWi-Fiが利用されていることがわかります。このデータは屋外で取得したものなのでかなり多くのWi-Fiの電波が見えていますが、最近ではほとんどの家でWi-Fiが利用されていますので、宅内でも同様に多数のWi-Fiの電波が飛んでいます。試しに筆者の自宅でWi-Fi電波をモニターしたところ15個以上の電波が確認できました。

このように現在はかなりの数のWi-Fiの電波が飛び交っており、Wi-Fiの利用者が多くなるとそれだけ遅くなります。上記グラフにおいて、グラフが重なっている箇所は重なっているお互いのWi-Fiが干渉していることを示しますが、見てのとおりすべてのWi-FiがいずれかのWi-Fiと干渉してしまっていることがわかります。このようにWi-Fiを利用するにあたり、様々なWi-Fiがお互いに干渉することで通信速度はかなり遅くなってしまいます

Wi-Fiの設定変更を行うことで通信速度を改善

Wi-Fiの干渉を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
Wi-Fiには以下のような規格があります。

一番新しい企画はWi-Fi6となりますが、こちらは昨年標準化されたばかりであり、まだそれほど普及はしていません。身近なものでは、iPhone11やGalaxy S10、Galaxy S20 5GなどでWi-Fi6がサポートされています。

スマホやWi-Fiルータなど多くのデバイスでは一つ前の規格であるWi-Fi5(802.11ac)がサポートされています。一方で、宅内のWi-Fiアクセスポイントは頻繁に交換することが無いため、多くの宅内では未だにWi-Fi4(802.11n)を利用しているところも少なくありません。Wi-Fi5を利用するためにはデバイスとアクセスポイントの両方でWi-Fi5をサポートする必要がある為、現在もまだまだWi-Fi4の利用者が多いと思われます。

上記の表では、規格ごとに利用している周波数が記載していますが、現時点でもかなり多く利用されているWi-Fi4(802.11n)では2.4GHzと5GHzがサポートされています。ただし、多くの利用者が2.4GHzを利用しており、これが速度が出ない理由です。2.4GHzの周波数の利用者が圧倒的に多いために電波の干渉が生じ、その為に速度が著しく低下しているのです。

この電波干渉を防ぐために最も有効な手段は、利用する周波数を変更することです。802.11nでは2.4GHzの他に5GHzにも対応していますので、利用する周波数を5GHzに変更することで速度が改善できる可能性があります。基本的に周波数が高くなると電波の飛びが悪くなるという性質がありますが、これを差し引いても昨今の2.4GHzの混雑状況を鑑みると5GHzへ変更した方がよいでしょう。もちろん5GHzを利用するためにはデバイスとWi-Fiアクセスポイントの両方で5GHzに対応している必要があります。

その他に速度を改善する方法としては、極力最新のWi-Fi規格を利用するということです。Wi-Fi5とWi-Fi6は共イン5GHzに対応しており、さらにそれぞれの規格では通信速度を上げるための新しい仕組みが組み込まれています。従って、デバイスが最新の規格をサポートしているのであれば、これを機にWi-Fiアクセスポイントも最新の規格に変更してみてもよいでしょう。

Wi-Fiは様々なデバイスを接続する際に非常に便利ではありますが、電波の特性上干渉してしまうという問題があります。この干渉を如何に回避していくかがWi-Fi利用時の速度改善につながります。