2020年春に日本で開始される5Gサービスの内容とその料金プランは?

5G

2020年春に日本で開始される5G。日本における5Gサービス料金はどのようになるのでしょうか?また、そのサービス提供はどのような形になるのでしょうか?

5Gサービスを既に開始している海外事例から予測してみました。

スポンサーリンク

5Gの世界動向

5Gサービスは、2018年10月に米国のVerizonが世界で初めて開始し、今年の4月からは韓国のSKテレコムなどが5Gに対応したスマホを発売しています。現時点では、韓国における5G加入者は300万人を突破し2019年末に向けてさらに加入者が増加する勢いです。

早くから5Gに力を入れていた中国においても2019年11月より5Gサービスが開始されており、中国ではサービス開始前から1,000万件以上の予約が入るほど5Gに中国が集まっています。また、インフラ整備においても勢いがあり、最大手China Mobileはサービス開始当初から既に50,000局の基地局を配置し、2019年末までにはChina Mobile、China Unicom、China Telecomの3社で130,000局の基地局を整備する計画になっています。

海外の5G料金の傾向

先行するこれらの国々において、5Gの料金プランはどのようになっているのでしょうか?

米国、韓国、中国の3つの国の料金プランを比較してみましょう。米国、韓国は5Gにおいてデータ通信量無制限のプランを提供しています。一方、中国においては各料金プランにデータ通信量の上限が設けられていますが、そのデータ通信量は30GBから300GBまでとなっており、これまでの4Gと比較すると上限のデータ量がかなり多くなっています

実際の料金に関しては、各種オプションサービスによって多少異なりますが、米国では約8,700円から約9,800円、韓国では約8,300円から約12,700円、中国では一番データ量の多い300GBで約9,200円となっています。

米国と韓国ではいずれもデータ通信無制限サービスを提供していますが、提供している内容に少し差分があります。米国では5Gエリアにおいてはデータ通信無制限となっていますが、4Gエリアにおいてはデータ通信量に上限があり、料金プランによって4Gエリアで利用できるデータ量が25GB、50GB、75GBと上限値が設けられています。一方で韓国では4Gエリアと5Gエリアに区別はなく、いずれのエリアでも無制限でデータ通信が利用可能となっていますが、テザリングで利用可能なデータ通信量に関しては上限があり、上限値によって異なる料金プランが設定されています。

画像クリックで拡大

参考:海外の5G料金プランはどのようになっているのか、米国、アジア、欧州で比較

現在の4Gの料金プランから5Gの料金プランを予想

日本ではまだ5Gが提供されていませんが、通信事業者は2020年春の5Gを見据えた料金プランを提供しています。中でもKDDIは4Gにおいてデータ通信量無制限サービスを提供しており、この料金プラを見る限りでは5Gにおいてもデータ通信無制限サービスが提供されるということが想定されます

KDDIのデータ通信無制限プランは、「auデータMAXプランPro」と「auデータMAXプラン Netflixパック」の2種類があります。これら二つのプランの大きな違いは二つあります。一つは、「auデータMAXプラン Netflixパック」は、Netflixのベーシックパックが料金プランに含まれています。もう一つはテザリングで利用できるデータ通信の上限値が二つのプランで異なっており、「auデータMAXプランPro」では、テザリング利用時のデータ上限値が20GBであるのに対し、「auデータMAXプランNetflix」ではテザリング利用時の上限値が2GBまでとなっています。

各プランの料金は、割り引きなしで「auデータMAXプランPro」が毎月9,150円、「auデータMAX Netflixパック」が毎月8,050円となっています。

10月からのauの新料金プランでは何が変わったのか?従来プランと比較

KDDIが仮にこのまま5Gにおいても定額でデータ通信量無制限でサービスを提供した場合、毎月8,050円からサービスが利用可能となり、米国、韓国、中国の料金と比較しても遜色のない、むしろそれよりも安い料金で提供されることになります。また、仮に5Gのプレミアムサービス料金を徴収する場合は、海外の料金プランを鑑み高くても毎月10,000円以内には収まるのではないかと想定されます。

サービス提供内容

料金に関しては他国と大きな差が無く提供される可能性がありますが、サービスの内容についてはどうでしょうか。例えば、米国においては5Gエリアではデータ無制限で利用可能ですが4Gエリアではデータ通信量に制限を持たせています。一方、韓国では4Gと5Gのエリアを区別することなく、いずれにおいても無制限で利用可能となっています。日本ではどのように提供されるのでしょうか?

今回の5Gと同様に過去に3G、4Gを導入した際の通信事業者のサービス提供状況を振り返るとその答えは明確かもしれません。例えば、4Gは2010年に開始されましたが、各通信事業者は4Gエリア限定のサービスは提供しませんでした。つまりユーザは3Gエリアであろうが4Gエリアであろうが同じサービスを受けることができました。これは2Gから3Gサービスへの移行した際も同様ですが、エリア限定でサービスを提供した場合ユーザが常に自分の在圏エリアを意識する必要があるのとともに、ユーザが意図せず電波環境によって在圏エリアが変わってしまう可能性もあることから、これらの問題を考慮してエリア別のサービスが提供されなかったのではないかと考えられます。

過去に唯一エリア限定で提供された大きなサービスは、auが提供しているVoLTEです。VoLTEとはVoice over LTEの略で、auから発売されている4Gスマートフォンの音声サービスはこのVoLTEが使われており、VoLTEはLTEエリア限定のサービスとなっています。ドコモやソフトバンクの音声サービスは、3Gエリアと4Gエリアいずれでも利用できるような仕組みになっていますが、auの音声サービスは4Gエリアのみの提供となっています。

2020年春の5Gサービスはこうなる!?

各通信事業者は5Gの基地局整備に力をいれており、ドコモにおいては2020年6月時点で47都道府県すべてで5Gサービスを開始し、1年後までに基地局を10,000局まで増やすとしています。しかしながら、5Gのサービス開始当初はサービス提供エリアが限定的であることが想定され、また過去のサービス提供状況から想定すると、4Gと5Gのエリアでサービス内容に差をつけることなくデータ容量無制限サービスがて供されるのではないかと想定されます。また料金プランに関しては、現状のauの無制限プランや海外の料金プランから、毎月9,000円から10,000円の範囲で提供されるのではないかと期待されます