海外の5G料金プランはどのようになっているのか、米国、アジア、欧州で比較

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世界の5G普及状況

日本では2020年春に本格サービスが開始される予定の5G、海外では2018年からサービスが開始されています。2018年10月に米国で世界で初めて5Gサービスを開始し、現在は韓国、中国、クウェート、サウジアラビアなどのアジア、ドイツ、イギリス、スペインなどのヨーロッパ、南アフリカなどのアフリカ、ロシア、オーストラリアなど世界25か国以上で5Gサービスが提供されています

では、これらの通信事業者が提供している5Gの料金体系はどのようになっているのでしょうか。 米国、韓国、中国、イギリスの4か国の通信事業者の5G料金をみてみましょう。

米国、韓国、中国、イギリスの料金比較

米国の5Gの状況と料金プラン

米国ではベライゾン、AT&T、T-Mobile、Sprintの4社が5Gを提供しています。ベライゾンは昨年8月にサービスを開始したのちAT&Tは2018年12月、Sprintは2019年5月、T-Mobileは2019年6月にサービスを開始しています。

米国は他の国とは少し状況がことなり、ベライゾン、AT&Tは28GHzが39GHzといった高い周波数を利用し、端末も大多数がホームルーターとなっています。T-Mobileも同様に28GHz/39GHzでサービスを提供中ですが、2019年12月6日より600MHz帯の周波数を利用しスマートフォンサービスも開始する予定です。一方、Sprintは2.5GHzを利用しています。

2019年11月現在、ベライゾン、AT&T、T-Mobile3社の5G料金は以下のようになっています。(T-Mobileは予定料金です)

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既に5G対応スマートフォンを発売しているベライゾンは3つの料金プランを提供していますが、AT&TやT-Mobileはプランが1つにとどまっており、5Gへの力の入れ具合が伺えます。AT&Tの5Gはまだ法人向けのサービスのみであることからも、それほど積極的ではないことが伺えます。T-Mobileに関しては12月6日より新たに600MHzの周波数を利用するタイミングで5Gスマートフォンを発売する予定であり、様々な記事を拝見する限りでは、初回契約者においては10年間既存の4Gプランの料金そのままで5Gの利用を可能とすることを検討しているようです。

サービスの内容はまだ具体的なサービスが発表されていないT-Mobileを除くと3社横並びであり、5Gエリアにおけるデータ通信は全て無制限で提供されています。また音声においてもすべて無制限となっています。ただし、全社ともデータ利用量無制限というサービスは期間限定サービスであるとしており、今後ユーザの利用動向によってはデータ利用量に制限がかかる可能性があります。

料金に関してはベライゾンの最も安いプランで毎月約8,700円となっており、AT&Tの法人向けのサービス料金は毎月約9,800円であり、T-Mobileは現時点で毎月約9,200円程度になると見込まれています。

韓国の 5Gの状況と料金プラン

韓国ではSKテレコム、Korea Telecom(KT)、LG Uplusの3社が5Gを提供しています。

この3社は2018年12月に米国に続き世界で2番目に5Gサービスを開始しており、5Gスマートフォンの提供においては世界に先駆けて2019年4月に提供を開始しています。以降、韓国は世界で最も5Gスマートフォンの販売に力を入れており、5Gスマートフォンの加入者だけで既に300万人を超えています。また5Gのサービスエリア展開にも力を入れており、2019年11月現在で3社合わせて10万局の基地局を展開しています。

韓国の通信事業者3社はいずれも28GHzなどの高い周波数を利用している米国とはことなり比較的使いやすい3.5GHzを利用しています

2019年11月現在、SKテレコム、KT、LG Uplus 3社の5G料金は以下のようになっています。

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韓国では米国とはことなり各社とも5G向けに複数の料金プランを提供しています。データ利用量に関しては、3社ともデータ利用が少ないユーザ向けに容量制限があるプランと無制限プランの2種類のプランを提供しています。無制限のプランに関しては米国同様に期間限定のプランとなっており、現時点では2019年末までの限定となっています。2020年以降どのように変わっていくのかに関してはユーザの利用同国と各社の販売戦略で色々と変わってくるのでしょう。音声に関してはいずれのプランでも無制限となっています。

料金は、無制限プランに関してはKTの毎月約7,500円が最も安いプランとなっています。米国の毎月約8,700円と比較すると大分価格が抑えられており、各社とも5Gユーザの獲得に積極的であることがわかります。

中国の 5Gの状況と料金プラン

中国ではChina Mobile、China Unicom、China Telecomの3社が5Gを提供しています。中国は5Gに関していち早く実証実験を開始し国をあげて5Gに力を入れているのですが、実際に商用サービスが開始されたのは他国より遅く2019年11月に3社同時にスタートしています。

中国では、サービス開始当初からかなりのエリアで5Gが使えるようになっており、China Mobileは開始直後に既に全国で50,000局以上の基地局を整備しています。また、中国3社の通信事業者は2019年末までに130,000局の基地局を整備する予定としています。 ユーザ獲得にも積極的であり、China Mobileは2020年末までに7,000万人の5G加入者を見込んでいます。

2019年11月現在、China Mobile、China Unicom、China Telecom3社の5G料金は以下のようになっています。

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中国でも韓国同様に各通信事業者は5Gに対していくつかの料金プランを提供しています。中国の料金プランは米国や韓国とは異なりデータ通信容量が無制限ではありません。3社ともデータ利用可能容量に合わせて料金を設定しており、最大では1か月あたり300GBとなります。300GBとなると1日あたり10GB利用できる計算になりますので、現時点で一般的に利用されているコンテンツを利用する限りでは無制限と同じような使い方ができるでしょう。

音声通話に関しても無制限ではなくプランごとに利用可能時間が設定されています。こちらもデータ同様にかなりの時間の通話が可能となっています。

料金は、一番安いプランでは1か月30GBまでのデータ量と通話時間500分が含まれて約2,000円弱と非常にリーズナブルであり、最大データ容量の300GB利用できるプランでは約9,200円となっています。米国や韓国の無制限利用プランと比較すると中国の300GBまで利用可能なプランは少し高めの料金となっています。

中国では今後も積極的に5Gユーザ獲得を行うことが見込まれ、それに合わせて料金プランの変更やサービスの内容も変わってくることが想定されます。

イギリスの5Gの状況と料金プラン

イギリスでは、EEが2019年5月から5Gを開始し、Vodafoneが7月にO2とT-Mobileが10月にサービスを開始しています。イギリスでは韓国同様に3.5GHz帯の周波数を利用しており、5Gスマートフォン向けのサービスを提供しています。

2019年11月現在、Vodafone、EEの5G料金は以下のようになっています。

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イギリスでは米国、韓国同様に5G向けの無制限プランを用意しています。特にVodafoneはかなり細かくプランを分けており、同じ無制限のプランでも付属する動画視聴サービスや無料ローミング先の拡大など条件が異なっています。

料金はデータ通信無制限で1か月2,750円で利用できますが、こちらは速度制限がかかっており最大でも2Mbpsに制限されていますので5Gの高速サービスを受けることができません。速度制限が無いプランでは一番安いプランで1か月約3,600円となっており、他国と比較してもかなり安く提供されていることが大きな特徴です。Vodafoneに関しては現時点では4Gと同等の料金体系で5Gが提供されているために料金が低く抑えられていますが、今後ユーザやエリアの拡張、サービスの拡張により料金プランが大きく変わってくる可能性があります。

5Gに積極的なアジア

4か国の5G料金を比較しましたが、韓国、中国がコンシューマ向け5Gにかなり力を入れている一方で米国やイギリスはスローペースでサービス提供が行われている印象を受けます。2020年3月には日本でも5Gが開始されますが、その時には多数のスマートフォンが5Gに対応している可能性が高く、今の韓国や中国以上に魅力的なプランが提供されることが想定されます