SIMカードとは?eSIMとは?サイズや種類を分かりやすく解説!

スマホ

最近、SIMフリー、SIMロック、格安SIM、eSIMなどSIMという言葉をよく耳にするようになり、特にここ数日はauやソフトバンクが進めているSIMロック施策に対して総務省が強く反発をしています。


スマホを新規契約した際に端末に新たに挿入したり機種変更時に入れ替えたりするSIMカード、このSIMカードにはいくつかの種類があり、また端末によってはSIMロックと呼ばれるロックがかかっているものがあります。これらを含めたSIM情報について、わかりやすく解説をしています。

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SIMカードとは何なのか?そしてどんな情報が格納されているのか?

SIMカードはSubscriber Identity Module Cardの略であり、主にユーザが通信を行う為の認証に利用されます。そのため、SIMカードにはいくつか認証に利用するための情報が入っており、主なものとしてICCID、IMSI、MSISDNという情報が格納されています

それでは、このICCID、IMSI、MSISDNを一つずつ見ていきましょう。

ICCIDは、IC Card Identifierの略であり、SIMカードを識別するための番号です。この番号は19桁の番号で構成されており、SIMカードごとに固有の番号が割り振られています。この番号はSIMカードが取り付けられているプラスチックのカードの裏面や契約書に記載があることが多く、その他iPhoneでは端末の設定画面から確認することが可能です。

IMSIとは、International Mobile Subscriber Identityの略であり、スマホ、ガラケー、IoT端末などのモバイルユーザに割り与えられる15桁の番号であり、これもICCIDと同様にユーザごとに固有の番号が割り振られています。15桁の番号の最初の3桁は国番号、次の2桁もしくは3桁は通信事業者固有の番号、そして残りの9桁もしくは10桁がユーザを識別する番号で、この番号を利用して通信開始時の認証や位置登録等を行っています。

日本では、MCCに440、441等が使われており、MNCはドコモは10、auは50、ソフトバンクは20等の番号が使われています。

MSISDNとは、Mobile Subscriber Integrated Services Digital Network Numberの略であり、これは電話番号そのものです。こちらもユーザ固有の番号となり、国番号+電話番号で構成されています。

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SIMカードにはいくつかの種類がある

SIMカードにはいくつか種類があります。大きく二つに分かれ、一つはプラスチックでできた物理的なSIMであり、もう一つはeSIMと呼ばれるソフトウェアのSIMです。プラスチックのSIMには、標準SIM、Micro SIM、Nano SIMの3種類あり、それぞれ大きさが異なります。

SIMカードが登場した当時は標準SIMが利用されていましたが、その後は小型化が進みMicro SIMとなり、今ではNano SIMが主流となっています。どのサイズのSIMカードを利用べきかに関しては端末に依存するので、利用する端末が対応するSIMカードのサイズを必ず確認しましょう。

一方、eSIMはembedded SIMの略であり物理的なカードではなくソフトウェアで制御されたSIMです。通常、ユーザは利用する通信事業者を変更する場合にはSIMカードを入れ替える必要がありますが、eSIMの場合は物理的なカードが無いので入れ替える必要がありません。eSIMの場合、先ほど説明したSIMカードに格納されている情報は端末内部に格納されている為、通信事業者を変更する際には、この端末内部に格納されている情報をソフトウェアで更新することで切り替えることが可能となります。

普段国内だけでスマホを利用するのであればeSIMの有難みはまだそれほどないかもしれませんが、海外に行ったときに役立つことがあります。例えばiPhone XSでは、通常のプラスチック型のSIMも使えますが、それと同時にeSIMを利用することもできます。従って、海外旅行をした際に通常の日本で利用しているSIMはそのままiPhoneに入れたままの状態で、渡航先の通信事業者が発行しているプリペイド用のeSIMを購入することで簡単に現地の格安のサービスを使うことができるのです。

eSIMはまだまだ使える通信事業者が少ないですが徐々に増えてきているおり、今後は主流になっていくのではないでしょうか。

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SIMロック・PINロックは何のためにあるの?

SIMロック

SIMにはスマホの通信で利用するために必要な情報が格納され、そのSIMカードにはいくつかの種類があることがわかりました。では、SIMの話になるとよく聞くSIMロックとは一体何なのでしょうか?

SIMロックとは、端末が利用できるSIMカードを固定してしまうことです。つまり、ある端末AではSIMカードAしか利用できないようにし、仮にこの端末AにSIMカードBを刺しても動作しないようにすることをSIMロックといいます

何故SIMロックというものが存在するのでしょうか。

各通信事業者は、端末が盗難された際に海外などで利用されることを防止するためにSIMロックを導入していると主張してはいますが、本質は違います。

通信事業者はできるだけ多くの新規ユーザを獲得する為にスマホ端末を格安にし、それを自社の通信プランと組み合わせて販売をしています。このように端末を安く販売することで新規のユーザを獲得しているのですが、新規で契約したユーザが端末を購入後にすぐに解約をして他の通信事業者に変更してその端末を利用してしまったり、端末を転売してしまう可能性があります。これを防ぐために通信事業者はSIMロックをかけて、その端末が自社のSIMカード以外動作しないようにすることで早期解約や転売を防いでいるのです。

以前は通信事業者はSIMロックをかけることが当たり前でしたが、最近は各事業者共にSIMロックを解除できるサービスも提供を開始しています。また、2019年10月1日から端末分離プランが始まり、端末とサービスを分けて販売するよう省令改正が行われたこともあり、今後は徐々にSIMロックも無くなっていくことが想定されます。

ドコモのSIMロック解除の手続き

SIMロック解除 | お客様サポート | NTTドコモ
SIMロック解除とは、ドコモの携帯電話機に海外のSIMカードなどを入れ替えて使用したい場合や、国内で他社のSIMカードなどを入れ替えて使用したい場合に必要な手続きです。

auのSIMロック解除の手続き

SIMロック解除のお手続き | スマートフォン・携帯電話をご利用の方 | au

ソフトバンクのSIMロック解除の手続き

ソフトバンクの携帯電話を他社で利用する/SIMロック解除 | スマートフォン・携帯電話 | ソフトバンク
ソフトバンクの製品でSIMロック解除を行う場合のお手続き、注意事項、対応機種に関してご案内いたします。

PINロック

SIMカードとは別にPINロックというものがあります。

SIMカードは端末側でロックをかけて端末を保護するものであるのに対し、PINロックはSIM側にロックをかけてSIMを保護するものです

つまり、PINロックとはSIMに利用するパスワードであり、PINロックを設定するとパスワードを入力しない限りそのSIMを利用することができなくなります。また、仮に3回PINコードの入力を失敗するとそのSIMカードがロックされてしまい、そのロックを解除するためにはPUKコードと呼ばれる番号が必要になります。

このPUKコードは、スマホ申し込み時の契約書に記載されていたり、SIMカードが取り付けられていたカードの裏面に記載されていたりと通信事業者によって異なるので、PINコードを利用する際には先にPUKコードを確認しておくことをお勧めします。PUKコードが分からない場合、SIMカードの交換が必要となり、その場合には交換までの時間スマホが利用できなくなり、かつ交換手数料がかかるため十分に注意が必要です。

これからはSIMカードを学んで意識することが大切

日本ではこれまで通信事業者が端末とSIMカードをセットにして販売していたためユーザはSIMカードを意識することがあまりありませんでした。しかし、最近は通信事業者はSIMロック解除サービスを開始し、更に10月からの端末分離プランで端末とサービスが完全に分けられて販売されるため、ユーザは今まで以上にSIMカードを意識していく必要があります。

今後は、自分で端末を準備して格安SIMを購入する、海外で現地の格安プリペイドSIMを購入するなどのユースケースが身近になり、更にはeSIMが普及することで効率よく通信事業者を渡り歩くなどの手法が増えてくる可能性もあるため、一度SIMについてしっかりと学び効率よく使っていくことが大切です