端末分離プラン開始後のスマホ新料金プラン比較!

スマホ

10月からドコモ、au、ソフトバンクの料金プランが変更になります。これは総務省が進めている省令改正を遵守する為の対応となりますが、省令改正の内容と総務省の狙い、各通信事業者の10月以降の料金プラン比較、ユーザへの影響とおトクに利用する方法について纏めてみました。

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10月から適用される省令改正の内容と総務省の狙い

10月1日から、スマホの販売・サービスに関して以下の3点が大きく変更になります。

  1. 端末割引金額の制限(端末分離プラン)
  2. 長期契約解約時の違約金の低減
  3. 長期契約有無による割引金額の制限

これら3点について一つずつ内容を見ていきましょう

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端末割引金額の制限(端末分離プラン)

今回の省令改正により、通信サービスと端末をセットで販売する場合は端末の割り引きの上限が2万円となります。例えば、定価10万円のスマホ端末は割り引きの最大が2万円なので、安くても8万円で販売されることになります。この施策により、今後はゼロ円端末はほぼ無くなり、端末価格は高騰することが想定されます。一体なぜ、このような施策が必要となったのでしょうか。

参考:一部例外はこちらを参照

総務省は、「携帯電話の販売代理店の一部において大幅な端末値引や高額なキャッシュバック等が行われていることが、端末価格や通信料金の負担について消費者が正確に理解することを困難にし、利用者間の公平性の観点から問題である」と考えているようです。つまり、スマホ端末を頻繁に買い替えるユーザにとってはメリットがあるものの、長い間同じスマホ端末を使い続けるユーザは不利益を被る為、公平性の観点から問題であると言っているのです。具体的には以下の3点です。

  • 通信役務の継続利用及び端末の購入等を条件として行う利益の提供⇒一律禁止
  • 通信役務の利用及び端末の購入等を条件として行う利益の提供⇒2万円(税抜)を超えるものを禁止
  • 廉価版、インフラ変更に伴う端末回収、在庫24か月は除外

長期契約解約時の違約金の低減

これまでドコモ、au、ソフトバンク3社は、2年契約等の長期契約のユーザに対して割引サービスを適用する代わりに長期契約が間了するタイミング以外で契約を解除する場合、解除料として9,500円程度の解除料金を徴収していました。

10月以降は、この契約解除料金が1,000円以下になります

総務省は、「長期契約解除の高額な解除料金が通信契約の解除を行うことを不当に妨げることにより電気通信事業者間の適正な競争関係を阻害するおそれがある」と考えており、この是正のため、10月1日以降のスマホを契約するユーザに対しては長期契約の解除料を1,000円以下にするよう省令で定めました。

長期契約有無による割引金額の制限

通信事業者3社は、長期契約しているユーザに対して割り引きを提供しており、例えばドコモのギガホプランでは、長期契約が無い場合は8,480円/月となるが長期契約を行うことでこの料金が1,500円割り引きとなり6,980円になります。

10月以降は、長期契約をしているユーザとしていないユーザでの毎月の料金割引格差を170円以内にしなければなりません。つまり、これまでのように1,500円割り引くことはできなくなります。

この170円という金額はどこから来たのでしょうか。

これはすごくわかりづらいのでグラフを使って説明します。 以下は、ドコモのギガホプランにおいて、定期契約があるユーザと無いユーザの通信料金の累積と各月に解約した場合の合計金額をのグラフです。例えば、3か月目に解約をする場合、定期契約があるユーザは3か月分の基本料金と解除料9,500円が合計金額となり、定期契約がないユーザの場合は単純に3か月分の基本料の合計となります。

ドコモギガホプランの累積金額と契約解除料の合計

見てのとおり、6か月目までは定期契約が無いユーザが解約を行う場合の方が合計金額が安くなっています。総務省はこれと同じ仕組みを新しい省令にも盛り込んだのです。つまり、新しいルールでも6か月までは定期契約が無いユーザが解約をした場合の方が定期契約があるユーザよりもおトクに設計されているのです。

以下のとおり、6か月目の基本料金の累積と解約金額の合計値が定期契約があるユーザと無いユーザで同じになるように設計する場合、新しいルールでは解約金額は最大1,000円となるため、その差額は1,000円となります。従って、6か月間の通信料金の累積と契約解除料の合計金額が定期契約のあるユーザとないユーザで1,000円の差分までは許容できることとなり、この1,000円を6か月で均等割りすると、1か月あたり170円となるのです。

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10月以降の3社の料金プラン

省令改正に遵守する為、通信事業者3社は10月以降以下のとおり新しい料金プランの提供を開始します。

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ドコモとauは2年縛りによる割り引きサービスプランを継続し、その割り引き金額を170円/月としています。また、2年縛りの契約解除料も9,500円から1,000円に減額しています。一方、ソフトバンクは2年縛りを完全に撤廃してします。

3社とも旧プランからの移行が可能ですが、その扱いに多少違いがあります。

ドコモは、旧プラン契約者も新プランへの移行は可能であるが、新プランへ移行後も旧プランでの利用期間をそのまま継続しています。

auは、旧プランから新プランへ移行した際には、新プランに申し込み翌月を1か月目として新たにカウントされます。ただし、2020年2月までに移行した場合には、ドコモ同様に契約期間がそのまま継続されてしまいます。

ソフトバンクは、旧プランから新プランへ移行した際には、新プランで新たに契約期間がカウントされます。

省令改正によって端末価格と通信プランを一体で販売する際の端末割り引きの上限が2万円となりますが、通信各社は苦肉の策で以下のような端末割引プランを出してきています。いずれも通信プランとは切り離した扱いとしています。 端末割り引きに関する各社の対応は以下のとおりです。

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各社とも、端末を割賦払いで契約しある一定期間利用したのちに残債を無料にするというプランになっています。auとソフトバンクは同じ内容になっていますが、ドコモはこの2社とは内容が異なっています。

どちらがおトクなのでしょうか?

96,000円の端末を購入した場合という事例で比較をしてみました。

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ドコモは割り引きプラン加入による基本料金はかかりませんが最終的に免除となる金額が低いため、auやソフトバンクよりも割高になっています。iPhone11をはじめ、スマホ端末の単価が高くなっていく傾向がある中でこれだけの差が出てしまうと端末販売にも影響してくる気がしています。

ユーザのとっては少しでも安い価格で端末の入手ができることを望んでいますが、このプランに対して総務省は懸念を示しているので、もしかしたら早々に省令改正等でつぶされてしまう可能性があります。

UQ mobile

ユーザへの影響とそれでもおトクに利用する方法

今回の省令改正によるプラン変更によりユーザはスマホの解約が容易になり、従来よりも他社通信事業者への乗り換えが容易となります。一方で、端末割引は制限されてしまいユーザにとってはあまりおトクな改正にはなっていません。

これらの改正は10月から適用されるため、端末を安く購入したいユーザは9月中であればまだゼロ円端末がある可能性もあるので、急いで機種変更や端末購入を行った方がよいかもしれません。

ユーザ、事業者、そして端末を製造している端末メーカの3者がいずれも得をしないこの愚策、一体何のための施策なのでしょうか。