料金値下げの背景
UQモバイルは2021年2月から新料金プランを提供することを発表しました。新しく発表された料金プランは従来プランよりも安くなっています。UQモバイルが料金を安くした背景は、菅総理が総理就任前から言及している「携帯電話料金は4割下がる」を菅政権の優先検討事項とし、それを受けて武田総務大臣が携帯電話事業者のドコモ、au、ソフトバンクに圧力をかけたためです。従って、UQモバイルの料金値下げはメインブランドであるauの料金値下げと共に行われ、auブランドは大容量、中容量データ通信プラン (povo含む)、UQモバイルは中容量、小容量データ通信プランの値下げを行っています。

UQモバイルの新料金プラン
UQモバイルは、2020年4月に楽天モバイルが参入した際に料金プランを刷新し、そのプランが2021年1月現在も提供されています。それでは、現在のプランを見てみましょう。

現在提供されているUQモバイルプランは、「プランS」と「プランR」の2種類で非常にシンプルになっています。(その他にデータ専用プランとWiMAXとのセットプランがあります)
プランSは小容量プランで3GBまで利用可能なプランであり、プランRは中容量プランで10GBまで利用可能なプランです。
では、新しく2021年2月から開始されるプランはどのようになっているのでしょうか。

新しいプランは「くりこしプランS」「くりこしプランM」「くりこしプランL」の3つです。これまで二つのプランしかなかったUQモバイルですが、新たに容量の大きい「くりこしプランL」が追加されました。くりこしプランLでは毎月25GBまでデータ利用が可能であり、データ利用量が25GBを超過した場合には1Mbpsに速度制限されます。また、データ利用量が25GBに満たなかった場合、余ったデータ量を翌月に繰り越すことができます。他の新プランもそうですが、このプランでは学割は適用されますが、家族割は適用外となります。
UQモバイルの新料金プランと従来のプランの比較
それでは、現在のプランと2021年2月から提供される新プランを比較してみましょう。 まず初めに「くりこしプランS」と「プランS」の比較です。

両プランの差分は2カ所です。まず一つ目は料金です。従来の「プランS」のサービス内容を維持したまま月額料金を1,980円から1,480円に500円値引きしたプランが「くりこしプランS」になります。25%も安くなっており、かなりオトクになっています。
二つ目の差分は、家族割です。従来の「プランS」では家族割が適用され、家族で2回線目以降契約した場合には毎月500円割引きされますが、新しい「くりこしプランS」ではこの家族割がありません。ただし、家族割のグループへの加入は可能です。
この「家族割グループへの加入」という部分がかなりわかりづらいのですが、これは学割を適用する際に必要となる場合があります。UQモバイルの学割は、学生はもちろんですが、その家族も学割を受けることができます。ただし、家族が学割を受けるためには、その学生を含めて家族割に加入しておく必要があります。
家族の中の学生が「くりこしプランS」を選択した場合、本人は学割が適用されます。家族が学割を受ける場合には学生も家族割に入る必要があるのですが、「くりこしプランS」に加入する場合、家族割加入による割引サービスはありません。代わりに家族割グループという形で家族割に属し、この家族割グループに他の家族が属している場合には、その家族に学割が適用されることになります。
こちらがそのイメージ図です。

続いて「くりこしプランM」と「プランR」の比較です。

この二つのプランには結構差分があります。
まず料金ですが、こちらも「くりこしプランS」同様に「くりこしプランM」の月額料金は「プランR」よりも500円安くなっています。更に「くりこしプランM」では、データ利用量が「プランR」と比較して5GBを多くなり、毎月15GBまで利用できるようになります。そして、「くりこしプランM」でも1ヶ月のデータ利用量が15GBに満たなかった場合には翌月に繰り越すことが可能なのですが、繰り越しできる最大容量が15GBとなります。家族割については「くりこしプランS」と同じです。
「くりこしプランM」は、従来の「プランR」と比較して月額基本料が500円下がっているにもかかわらずデータ利用量が5GB増加し、かなりオトクなプランになっています。
プランの申し込みと注意点
UQモバイルの新料金プランは2021年2月1日より受付開始となっています。現在UQモバイル以外の通信事業者を利用している場合にはMNPにて乗り換えを行い、その際に新料金プランを選択すれば問題ありません。

既存UQモバイルユーザが新料金プランを利用する場合、料金プランの変更が必要になります。料金プランの変更はオンラインでも可能となっています。
新料金プランは従来プランよりもデータ利用量が増えてかなりオトクになっていますが、1点注意事項があります。それは、2021年4月の利用までは、データ利用量が「くりこしプランM」の場合は10GB、「くりこしプランL」の場合は20GBに設定されている為、残りの5GBを利用する際には500MBずつデータチャージをする必要があります。ただし、データチャージにかかる費用は5GB分までは月額料金から割引されるため、毎月の利用料金に変更はりません。
2021年4月までは少し面倒ですが、恐らく当初は「くりこしプランM」は10GBまで、「くりこしプランL」は20GBまでで提供する予定であったところ、ドコモとソフトバンクの料金プランを見て慌てて変更した為、情報システムの対応が間に合わなかったのでしょう。
いずれにしても、これまでのUQモバイルのプランと比較するとかなりオトクなので、既存UQモバイルユーザの中で家族割と学割の両方が適用されているユーザ以外は新プランへ移行することをお勧めします。
