楽天モバイル、UQモバイル、Yモバイル、一番オトクな料金プランは?

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2020年4月8日、第4のモバイル通信事業者として楽天モバイルがサービスを開始しました。楽天モバイルは、まだまだサービス提供エリアが不十分であり、iPhoneを含む人気スマホが対応していない状況ですが、それでも各種キャンペーンや料金施策により、多少なりとも他の通信事業者に影響を与えています。

特に通信事業者のサブブランドとして提供されているYモバイルとUQモバイルは楽天モバイルを強く意識し、既に料金プランやサービス内容の変更を行っています。

この記事では、楽天モバイル、Yモバイル、UQモバイル3社の料金プランの内容およびその比較をし、どの料金プランが一番オトクなプランであるかを解説しています。

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13年ぶりに新規参入した楽天モバイル

楽天モバイルは4月8日にモバイルサービスを開始しました。モバイル通信事業への新規事業者の参入は、2007年にイー・モバイル(現ソフトバンクモバイル)が参入して以来13年ぶりになります。当時は、イー・モバイル以外にアイピーモバイル(株)とBBモバイル(株)が新規参入を表明していましたが、アイピーモバイルは自己破産し、BBモバイルはボーダフォンが買収したことにより、最終的にはイー・モバイルのみが新規に参入をするという結果になっています。

モバイル通信事業の参入において最大の障壁は、インフラ構築に多額の投資が必要になるということです。モバイル通信サービスを行う際に一番重要となるのは基地局の設置であり、基地局を全国津々浦々に配置しなければ品質の良いサービスを提供することができません。例えば、4G LTEに関しては既に長年サービスを提供しているドコモは約20万局、au、ソフトバンクはそれぞれ約12万局の基地局を国内に展開しています。各社で基地局数に多少の差はあるものの、10万局以上の基地局が無いと現在のようなサービス品質を維持することができないのです。そして、これだけの基地局を設置するためには相応の投資が必要となります。ドコモは5Gの投資に関して2023年まで1兆円の設備投資を行うと発表していることからも、かなりの資金が必要となるのです。

今回新規で参入する楽天モバイルは、2025年度末までに27,397局の基地局を設置する計画になっており、設備投資額は6,000億円以内としています。確かに楽天モバイルは最新の仮想化技術でインフラ導入コストを抑えることは可能でしょうが、それでも他社と同等の品質を確保するためには相応の基地局が必要であり、それに伴う設備投資は更に増えていくのではないかと想定されます

楽天モバイルは、サービス当初はエリアがまだまだ基地局数が少なくサービス開始時点の基地局数は約4,400局となっています。従って、それを補完するために楽天モバイルのエリア以外ではauにローミングする形でサービスが提供されます。auへのローミングによってユーザは全国どこでもサービスの利用が可能となりますが、ローミングの際にはサービスにおいて制約があることに注意が必要です。また、ローミングエリアにおいては、2021年3月までに順次終了する予定となっていることにも注意が必要です。

データ使い放題の楽天モバイルの料金

楽天モバイルの料金の特徴はデータ使い放題であるということです。これまでauでもデータ使い放題プランが提供されていましたが、楽天モバイルではデータ使い放題プランのみの提供となっています。

楽天モバイルのプランは、毎月2,980円で無制限でデータ通信が可能です。また、2020年6月現在では、キャンペーンにより申し込み後1年間は毎月の基本料金が無料となっています。この無料キャンペーンは非常に魅力的であり、データ通信が無制限であるということから、例えばテレワーク用としてテザリングを利用するために新規で楽天モバイルと契約し1年間無料で試してみるという使い方や、小学生や中学生をお持ちの家族が今後スマホを子供に持たせるにあたって1年間お試しで使っているということができるのです。

楽天モバイルのプランでもう一つの特徴は、音声通話に関しても無料で提供されるという点です。他社では通話時間が10分間以内であれば無料通話が可能というプランはありますが、楽天の場合は完全に無料でありしかも国際電話までも無料という点が大きく異なる点です。最近は音声通話を利用する人は減ってはいるかと思いますが、音声通話を頻繁に利用するユーザにとってはありがたいサービスです。

料金プランの観点からは非常に魅力的な楽天モバイルですが、まだサービスが開始されたばかりであり、楽天モバイルのエリアが非常に狭く、また品質も多少懸念されますので、楽天モバイルをメイン回線として利用するには時期尚早といえるかもしれません。

楽天モバイルを意識したYモバイルの新料金プラン

Yモバイルは、プランS、M、Rの3つのプランを提供しています。Yモバイルは以前よりこの3つのプランを提供していましたが、楽天モバイルがサービスを開始したこと、およびUQモバイルが楽天モバイルの参入に合わせて料金プランを改定したことに対抗してプランの内容を見直しています。

これまではプランMのデータ通信容量は9GBとなっていましたが、UQモバイルのプランRに合わせて10GBに変更されました。また、データ利用量超過後の速度制限に関しても128Kbpsから1Mbpsに改善されています。

KDDI傘下になったUQモバイル

UQモバイルは、もともとはWiMAXサービスを展開しているUQコミュニケーションのMVNOとしてサービスが提供されていましたが、2020年10月にUQモバイルサービスがKDDIに移管されました。この事業統合により、UQモバイルはMVNOではなくKDDIのサブブランドとなり、Yモバイルと同じような位置づけになっています。KDDIがauとUQモバイルを一括して提供することで、端末供給やサービス提供内容などで相乗効果が見込まれ、これまで以上に魅力的なサービスや料金プランが提供されることが期待されます。


さて、UQモバイルの料金プランですが、Yモバイル同様に楽天モバイルが4月にサービス開始したことにあわせて料金プランを変更しています。

これまでは、プランS、R、M、Lの4つのプランが提供されていましたが、楽天モバイル参入後はプランSとプランRの二つに集約されています。特にプランRは料金が2,980円/月となり、またデータ利用量超過後の速度制限もこれまでの300kbpsから1Mbpsへ大幅に速度を上げるなど楽天モバイルを意識したプランになっています。

三社の料金比較、一番オトクな料金プランは?

楽天モバイル、Yモバイル、UQモバイルの料金を比較してみましょう。

各社ともサービスの内容が異なるため、単純に料金だけの比較は難しくなっています。ただし、それぞれの料金プランには特長があるため、ユーザは利用形態に合わせて選択することによって一番オトクなプランの選択が可能となっています。

楽天モバイルのUN-LIMIT2.0プランは、毎月のデータ通信量が多く制限を気にせずに利用したいユーザ向けのプランになります。毎月2,980円の定額でテザリングを含めて無制限にデータ通信が可能であるこのプランは、ヘビーユーザには大変魅力的なプランとなっています。また、音声通話に関しても国内電話はもちろん国際電話も無料で利用できるという大きなメリットもあります。

ただし、2020年6月現在では無制限でデータ通信が可能となる楽天モバイルのエリアは以下のとおりかなり限定的であり、都市部以外ではauローミングによる5GBまでの利用に制限されてしまうことに注意が必要です。

UQモバイルの料金プランでは、毎月1,980円からデータ通信サービスが利用でき、毎月のデータ利用量が少なく極力利用料金を安く抑えたいユーザに最適なプランとなっています。UQモバイルのSプランでは毎月3GBまでしか利用できませんが、その月に消化できなかったデータがあった場合には翌月に繰り越すことが可能となるため、効率よくデータを利用することが可能です。

では、Yモバイルの料金プランはどのようなユーザ向けなのでしょうか?Yモバイルの料金プランはUQモバイルの料金プランよりも高く、一見何のメリットも無いように見えます。しかしながら、Yモバイルのプランでは、国内通話が10分以内であれば無料となる為、音声通話が多いユーザにとってはYモバイルも選択肢の一つとなります。料金に関しても期間限定ではあるものの新規加入者に対しては6か月間毎月700円割引され、それに加えて家族割が適用されれば更に500円の割引を得ることができます。ただし、音声の無料通話に関してはUQモバイルでもオプション料金700円を追加することでYモバイルと同じ料金で利用することができ、その場合には毎月のデータ繰り越しも適用されるため、UQモバイルの方が使いやすいプランとなっています

以上より、楽天モバイル、Yモバイル、UQモバイルの3社比較においては、データ通信を無制限で行いたいヘビーユーザは楽天モバイル、それ以外のユーザはUQモバイルが最適なプランとなっています。ただし、楽天モバイルはまだまだエリアが限定的であるため、エリアが十分に広がるまでの間はUQモバイルやYモバイルを利用した方がいいかもしれません。