災害時・停電時でもスマホは使える!?

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9月9日、史上最強クラスの台風15号が関東地方を縦断しました。台風15号で広い地域で停電や断水が発生し、5日たった現在でも停電が復旧しない地域があります。また、東京電力の発表では全面復旧までには2週間程度かかるとの見込みで、該当地域の住民は非常に不便を強いられています。

今回の台風15号による災害では、停電が長引いていることで通信手段がなくなってしまったのか、現地の住民との連絡が取れないケースが発生しています。一方で、TwitterやSNSの投稿を見ると停電地域からの書き込みも散見されます。

停電が発生した場合、ケータイ電話やスマホは使えなくなってしまうのでしょうか?

この記事では、災害時や停電時にケータイ電話やスマホが使えなくなってしまうのか、また停電時にケータイ電話やスマホを使う為にはどうしたらよいのかなど、非常時に多少役立つ情報を解説しています。

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通信ネットワークは冗長構成になっており、多少の災害であれば通信の継続が可能

ケータイやスマホの通信インフラは基本的には全てにおいて冗長構成がとられている為、ある特定地域の伝送路で断線があったり、交換局において停電が発生しても通信には影響が出ないように作られています

以下は一般的な通信ネットワークの構成図です。

携帯通信ネットワーク構成図

通信ネットワークは、無線基地局から電波が放出され、スマホがその電波を受信することでスマホ画面の左上のアンテナマークが表示されサービス圏内の状態になります。ユーザがスマホで通信を行うとスマホと無線基地局の間でデータ通信が行われ、スマホからデータを受信した無線基地局はそのデータを交換局へ送り、そこからインターネットへデータが送られています。

無線基地局は複数の交換局と接続されている為、ある特定の伝送路で障害が発生して利用できなくなってしまった場合や交換局で大規模な停電が発生したとしても別の交換局へ迂回することが可能であり、障害の影響を受けることなく通信が可能です。通常、交換局は地理的に離れた場所に存在する為、かなり大規模で広範囲に停電が発生しない限りは同時にすべての交換局で障害が発生するということはありません

また、無線基地局と交換局間や交換局と交換局間の伝送路も冗長構成になっているので、ある地域で伝送路のケーブルが破損したとしても影響を受けることは少ないでしょう。

TSUTAYAのスマホTONE

通信設備には蓄電池や自家発電機が常備されている為、停電後もしばらくは通信できる!

では、無線基地局自体が停電した場合はどうでしょうか?

無線基地局が停電地域にある場合、当然無線基地局への電源供給も止まってしまいます。しかし、無線基地局は停電時においてもある一定の期間は動作しているのです。

通信設備には蓄電池(大型のバッテリー)や発電機が設けられているからです。停電時に備えて通信設備に蓄電池や発電機を常備することは電気通信規則で規定されている為、通信事業者は必ず対応しなければなりません。従って、今回の台風15号による停電地域においても通信設備が利用可能であったと考えられます。

では、停電地域において通信ができなくなってしまったユーザが何故いるのでしょうか?

無線基地局や交換局には蓄電池や発電機が常備されていますが、これらには容量があるため、利用可能時間が限られています。利用できる時間はそれらの容量に依存しますが、おおよそで蓄電池や発電機に切り替わってから1時間から1時間半程度は稼働すると考えられています。

停電が発生した際にまだケータイやスマホが使えるようであれば、それは蓄電池や発電機が動作しているからです。ただし、蓄電池や発電機の稼働には制限があり通信サービスが利用可能な状態は電力会社からの電源供給が停止してから1時間から1時間半程度と限定的であるので、必要な情報伝達は停電後1時間以内に行うようにした方がよいと考えられます

通信環境が確保されている場合でも停電や大規模な災害時にはスマホによるアクセスが集中して通信が接続しづらい環境に陥ることがあり、このような状況でアクセスを繰り返してもスマホの電源が減るだけですので、状況を見ながらうまく通信をしていくことも考える必要があります。

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通信事業者は通信網の復旧にあらゆる努力をしている

蓄電池や発電機による一時的な対応が行われた後は通信設備への伝供給が完全に途絶えてしまい、通信ができない状況となってしまいます。台風15号で被害を受けた千葉県ではいまだに停電が続いてますが、そんな状況でもスマホを利用することができているようです。これは一体何故でしょうか?

通信事業者は災害時に備え車載型移動基地局や可搬型無線基地局を準備しており、台風15号の被害地域にこれらの設備を搬送しています。以下は車載型移動基地局です。

ドコモ車載基地局
(引用:ドコモホームページ)
au車載基地局
(引用:KCCSホームページ)

車載型移動基地局とは、携帯電話の基地局を搭載したトラックを災害地に派遣してその地域の通信サービスを確保するためのものです。今回のように大規模な停電となり、基地局だけではなくその先の伝送路も使えないような場合では、上の写真のように衛星回線を利用することで通信を確保しています。また、大規模停電においては、移動電源車や非常用発電機を現地に派遣して電源を確保しています。

このように通信事業者はあらゆる災害に備えて車載型移動基地局や移動電源車を各地域に保持しており、必要に応じて派遣することで通信の早期復旧を実現しているのです。

UQ mobile

非常時に備えてモバイルバッテリーを常備することが大切

以上のとおり、通信事業者は非常時に備えてあらゆる対策をしており、停電時でさえも通信サービスを提供しています。従って、非常時においても状況を見ながら必要な連絡を行うことを心掛けるといいでしょう。

一方で、せっかく通信環境が整っていても肝心の端末が使えないと意味がありません。停電している地域では通信環境が整っていたとしても端末の充電を行うことができませんので、このような状況に備えてモバイルバッテリー等を準備し端末を充電できる環境を整えておくといいでしょう