携帯料金値下げで焦るUQモバイルとワイモバイル、100円端末も!

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携帯電話料金値下げのきっかけ

2020年は、携帯電話業界では大変な一年でした。コロナによる影響はもちろんですが、それ以上に菅内閣の携帯料金値下げ施策は通信事業者各社を悩ませました。

携帯電話料金の値下げは、安倍内閣の時から議論され「携帯電話料金は4割下がる余地がある」ということが言い続けられていましたが、菅内閣が発足するや否や、武田総務大臣が積極的に政策を進めました。その結果、ドコモとソフトバクはメインブランドにてデータ量20GBを月額2.980円で提供することを発表しました。この20GB 2,980円は携帯電話各社にとって想定外であり、サービスを開始した後に収益へのインパクトが相当大きくなることが想定されますが、政府の半ば強引な施策によって値下げを余儀なくされる状況になりました。

特にKDDIとソフトバンクにとっては想定外の流れになってしまったと言えるでしょう。もともと、2020年11月にKDDIとソフトバンクは、それぞれのサブブランドであるUQモバイルとワイモバイルでデータ量20GBの安いプランをつくり、UQモバイルは20GB 3,980円、ワイモバイルは5分以内の通話料無料をセットにして20GB 4,480円で提供することを発表していました。ところが、この発表に対して総務大臣は納得せず、「サブブランドではなくメインブランドで携帯料金を値下げしなければ意味がない」と言い出し、それに真っ先に対応したのがドコモでした。

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ドコモの一人負け!?

何故、ドコモは携帯電話料金の値下げを真っ先に仕掛ける必要があったのでしょうか?

それは、ドコモが一人負けをしているからです。昔は、携帯電話新規獲得者数が毎月発表され、各社の優劣が把握しやすかったのですが、今は四半期に一度しか発表されない為、マスコミも興味が薄れほとんど取り上げなくなり、状況把握が容易ではなくなっています。ですが、現状はドコモが劣勢に立たされており、例えば2020年の第1四半期から第2四半期の加入者の増減数を見ると明らかです。

以下は、電気通信事業者協会(TCA)が発表している事業者別契約数ですが、昨年の第1四半期と第2四半期の契約数とその増減をドコモ、au、ソフトバンクで比較すると、au増加数が691,800、ソフトバンクの増加数が643,500と両者が60万の新規契約が獲得できているのに対し、ドコモの増加数は371,800に留まっています。

このようにドコモは新規の獲得においてau、ソフトバンク2社と比較すると劣勢に立たされ何かしらのテコ入れが必要であった為、真っ先に値下げを発表し状況を変えたかったのです。

実際、ドコモが発表した20GB 2,980円のahamoは非常にインパクトが大きく、ユーザに対してはかなりの影響を与えているでしょう。また、ahamoのあとに発表したデータ利用量無制限の「5G ギガホプレミア」においても、スマホのデータ通信量が無制限になるだけではなく、テザリングも含めて使い放題とし、ユーザに対してかなりの好印象を与えているでしょう。

KDDIとソフトバンクが力を入れるサブブランド

これに対して、当初サブブランドで20GBプランの値下げを計画していたKDDIとソフトバンクは計画変更を強いられ、ソフトバンクはドコモに対抗するプランを発表しました。データ利用量20GBのプランについてはソフトバンクが「Softbank on LINE」という名称で2,980円で提供し、ワイモバイルについても当初の5分以内の通話無料付きプランで4,480円であった料金を音声通話をなくして3,780円に変更しました。KDDIはまだドコモに対抗する料金プランは発表していませんが、恐らくドコモとソフトバンクを追従し20GB 2,980円で提供すると想定されます。

ドコモのahamoの発表によりKDDIとソフトバンクは当初の想定とは異なる状況となってしまい、その結果、これまで格安プランとして提供してきたサブブランドの位置づけが非常に微妙になってきました。20GBプランはオンラインのみでの受付ではありますが、料金は月額2,980円であり、UQモバイルの10GB 2,980円や新たに発表されたワイモバイルの3,980円のプランよりも安くなっています。

これらのサブブランドは、窓口での受付や手厚いサポートを期待するユーザにとっては有効な存在ですが、かなり限定的です。そこで、KDDIやソフトバクは、UQモバイルやワイモバイルの獲得数を増やす、もしくはドコモへの流出を防ぐために、2020年の年末から様々なセールや割り引きを行っています。

なかでもUQモバイルは、スマホ本体の値下げに力を入れており、今ならサムスン製のGalaxy A21がMNPなら100円で購入できます。UQモバイルは毎年お客様満足度も高いので、格安スマホへ移行を考えているユーザにとってはかなりオトクな情報です。

2021年も携帯電話業界から目が離せない

ドコモのahamoやソフトバンクのSoftbank in LINEは2021年の3月から開始される予定です。また、4月からはデータ通信無制限サービスも開始されるなど、今年は携帯電話料金が大幅に下がると共に、それに合わせて利用形態も変わってくるでしょう。特に通信事業者のメインブランドによる20GBプランの提供により、これまで格安スマホを利用していたユーザが大手通信事業者に回帰したり、一方でこれまで大手通信事業者の高い料金プランを契約していたユーザが、値下げを機に料金を見直し格安スマホへ移行したりなど、ユーザの事業者間移行も活発になる可能性があります。

2021年は携帯電話業界では料金値下げをきっかけに大きく変化をしていくことが想定されます。