世界でコロナが蔓延する中、従来の生活様式から大きく変化し、中でも職場環境は変化を余儀なくされました。コロナへの感染を防ぐために在宅によるリモートワークを導入する企業が増え、今なお多くの方が自宅で仕事をしています。
在宅によるリモートワークを実現するために必要不可欠なものがインターネット接続環境であり、より快適なインターネット接続環境の実現の一つとして光ブロードバンドがあります。
この記事では、日本国内の光ブロードバンドサービスの状況をはじめ、光ブロードバンドサービスの料金構成ならびに光ブロードバンド提供事業者の主要10社の料金比較について解説しています。
日本の光ブロードバンド普及状況とシェア
国内の光ブロードバンド利用可能世帯率は100%に近い
コロナ禍においては、日本だけではなく世界でリモートワーク、オンライン授業など自宅で働いたり授業を受けたりという新しい生活様式が必要とされています。リモートワークやオンライン授業を実現するために必要不可欠となっているものがブロードバンド環境です。
昨今、モバイルの通信速度が速くなり、ビデオ会議やオンライン授業を行う際にはモバイル回線でも十分ですが、モバイル回線を利用した場合、毎月の利用可能データ容量を意識しながら利用する必要があり、利便性はよくありません。従って、在宅におけるリモートワークやオンライン授業を受講する環境においては、安定した通信品質でかつデータ消費容量を意識する必要のない固定ブロードバンド回線が望ましいでしょう。
日本では光ファイバ網が全国に広がっており、総務省の資料によると2019年3月の時点で光ブロードバンドの利用可能世帯率は100%に近い数値となっています。
2020年3月現在、国内の固定系ブロードバンドサービスの契約数は4,120万件であり、そのうち光ブロードバンド契約数は3,309万件となっています。コロナ禍でリモートワークが必要となった人もかなり増加していることから、今後は益々契約数が増えていくことでしょう。


光ブロードバンド提供事業者は2種類
国内では多数の事業者が光ブロードバンドサービスを提供していますが、光ブロードバンド提供事業者は大きく二つの種類に分けることができます。
一つは、光回線を自前で保有している事業者、もう一つは光回線を自前で保有していないが光回線を借用してサービスを提供している事業者です。前者はNTT東日本、NTT西日本、KDDIなど通信事業者が多く、後者はISP(Internet Service Provider)と呼ばれNiftyやBIGLOBEなどがそれにあたります。
ブロードバンドサービスでは、自前で回線を保有している事業者が自社のサービスとして光ブロードバンドを提供しているケースとISPと提携してサービスを提供しているケースがあり、これがブロードバンドサービスをわかりづらくしている原因の一つです。
例えば、「auひかり」という光ブロードバンドサービスでは、KDDIが自社で提供している「auひかり」(au one net)サービスと、それ以外にNifty、BIGLOBE、So-netなどのISPと提携してサービスを提供しているサービスがあります。いずれもKDDIの光回線を利用しているサービスなのですが、サービスを提供している事業者が異なるのです。
光回線を自前で持っている事業者のシェアとISPのシェアは以下のようになっています。
光回線を自前で持っている事業者では、やはりNTTが強く全体の6割を占めています。ISPに関してもNTT系がいくつかは上位に入っていますが、それ以外でもインターネットが普及し始めた頃からサービスを提供しているBIGLOBE、NiftyといったISPや最近ではNuro光などで勢いのあるソニーネットワークコミュニケーションズも上位に入っています。ISPに関しては、全国でサービスを提供しているISPもあれば、特定の地域限定でサービスを提供しているISPもあり、シェアが高いことが必ずしも料金が安いなどのメリットにつながるわけではないということに注意が必要です。
光ブロードバンド回線利用に必要となる費用
費用は初期費用と月額費用
光ブロードバンド回線サービスの提供を受ける際に必要となる費用は、大きく二つにわけることができます。一つは初期費用、もう一つは月額費用です。
初期費用は主に工事費用と事務手数料であり、いずれも一度支払えばそれ以降の支払いは不要となります。工事費用は光回線を敷設するための費用であり、その金額は事業者によって異なりますが、20,000~40,000円程度になることが多いようです。事務手数料は光ブロードバンド契約を行う為の登録手数料であり、3,000円としている事業者が多くなっています。
月額費用とは、主に基本料金、ISP料金、機器レンタル料金であり、毎月支払う必要のある費用です。
光回線を保有している光ブロードバンド事業者のサービスでは、基本料金と機器レンタル料金が毎月の料金となりますが、光回線を保有していないISP事業者のサービスは、基本料金、機器レンタル料金の他にISP料金が必要となります。ただし、ISP事業者によっては基本料金とISP料金を合わせて基本料金として表記している場合もあります。また、事業者によっては初期費用である工事費用を分割して月額料金として徴収していることもあります。
解約時にも費用が必要
光ブロードバンドサービスでは、解約時に光回線の撤去工事費用が掛かる場合があります。正直、これは本当に必要なのかかなり疑問なのですが、撤去工事という名目で10,000円から30,000円かかることがあるので、申し込みを行う際には撤去工事費用の有無も併せて確認しておくとよいでしょう。
長期契約や各種キャンペーンによる割引
光ブロードバンド事業者は、一時期の携帯電話事業者同様に様々なキャンペーンを打ち出し、工事費用や事務手数料の無料化や数万円のキャッシュバックなど大幅な割引サービスを提供しています。同じ光ブロードバンドサービスであっても受付窓口の企業によってその割引率やキャッシュバック金額が異なります。
特にキャッシュバックに関しては、10万円を超える高額なものもありますが、本当にトータルで安くなっているのかしっかりと確認しましょう。高額キャッシュバックを提供する事業者の中には、指定オプションへ加入必須、基本料金が高いなど最終的に支払う総額が高くなっていることもありますので、中身を確認してから申し込む必要があります。
その他の割引として、長期契約による割引があり、2年や3年契約を行うことで毎月の基本料金が安くなります。ただし、長期契約に関しては、以前の携帯電話同様に毎回自動更新となり、更新のタイミング以外の月で解約を行う場合は高額な解約手数料を請求されるので注意が必要です。

光ブロードバンド提供事業者10社比較、おすすめはNuro光
光ブロードバンド提供事業者の中でシェアの高い上位10事業者の料金を比較してみました。
以下の表は各事業者が提供している光ブロードバンドサービスの戸建て向け1Gbpsもしくは2Gbpsの標準プランの料金を比較したものです。
以前は、戸建て向けの光ブロードバンド回線の料金といえば6,000円とか7,000円というレベルで非常に高額でしたが、現在はかなりお手頃となり、4,000円台で提供している事業者も多くなっています。中でもソニーネットワークコミュニケーションズが提供しているNuro光は、下りの速度が2Gbpsと高速であるにもかかわらず、4,000円台後半での提供となり非常にリーズナブルとなっています。


繰り返しになりますが、この料金表は標準料金であるため、例えば2年や3年という形で長期間契約をすることで割引を受けることが可能であり、またドコモ、KDDI、ソフトバンクなどの通信事業者が提供する光ブロードサービスであればスマホの契約と合わせた割引を受けることができるなど、月額料金を下げることができます。
在宅での仕事や学業を行うことが必要となっている現状では、如何に品質の良いブロードバンド環境を準備できるかが重要です。光ブロードバンド回線は一度契約したら長期で利用しているユーザが多いと思われますが、今一度料金や品質に関して見直しを行い、最適なブロードバンド事業者を選択してみてはいかがでしょうか。

