バルセロナで開催されるMWCとは?内容や2020年の見どころを解説

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毎年スペインのバルセロナで開かれているモバイル関連の展示会Mobile World Congresses(MWC)とはどういう展示会なのでしょうか?MWCは日本でも非常に人気がありますが、日本からはどのくらいの人数が参加しているのでしょうか?

2020年は2月24日から開催されますが、MWCの開催会場、参加方法、概要はもちろんのことMWCに参加している企業、役職、国・地域等の分析結果や2020年のみどころまでわかりやすく解説しています。

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Mobile World Congress(MWC)とは

Mobile World Congress (MWC)は、毎年2月末もしくは3月にスペインのバルセロナにて開催される世界最大のモバイルに関する展示会です。モバイルに関する展示会となっていますが、最近では世界各国の通信事業者やベンダーのみならず、デバイスメーカーや技術協力会社、コンテンツプロバイダーなど様々業界の企業が毎年多数参加しています。展示会には毎年2,000を超える企業が参加し、2020年は2,400社の企業が参加する予定となっています。

MWCは、1987年より開催されており当時はGSM World Congressという名称での展示会でしたが、2006年に3GSM Worldに改名され、そして2014年からはMobile World Congressを正式名称として採用しています。ただし、実際には2014年よりも前からこの展示会はMWCとして世界に知れ渡っています。

MWCは10年ほど前までは来場者数が5-6万人程度でしたが、最近は10万人を超え2019年実績では109,674人と2018年から更に来場者数が伸びています。

この展示会のメイン会場はバルセロナのFira Gran Viaであり、バルセロナ・エル・プラット国際空港から北東に10kmほど行ったところにあります。この会場の展示エリアの敷地面積は120,000平方メートルと広大であり、これは東京ドームの倍以上の広さになります。また一部の展示についてはこの会場から4kmほど離れたFira Montjuïcで行われます。

2020年のMWCは2月24日から27日に開催される予定です。

MWCに参加するためには? チケット購入方法

MWCに参加するためにはチケットが必要となりますが、チケットはMWCトップページ(https://www.mwcbarcelona.com/)から購入することができます。以下のとおり、他の展示会同様に見学や参加したいセッションによって料金が分かれています。一番安い展示会のみのチケットでさえ約10万円と非常に高額になっていますが、それでも毎年10万人以上の来場者があることを考えるとそれだけ注目されている展示会であるといえます。

MWCに参加する際に注意すべき点として宿泊施設の予約があります。世界各国からバルセロナという小さな都市に10万人以上の人が集まる為、MWC開催期間は宿泊施設の値段が高騰します。1泊2-3万円程度ならまだよい方であり、場合によっては10万円を超えることもありますので、MWCに参加する場合は12月初めには宿泊施設を予約しておいた方が良いでしょう

来場者の約6割がDirector以上のシニアレベル

以下は2019年のMWC全来場者の役職を分析した結果です。来場者10,9674人のうち約60%はDirector以上のシニアレベルです。さらに全体の25%つまり約27,000名はCレベルもしくVPとなっており、非常に多くの経営層が来場していることがわかります。経営層が参加する理由はいくつかあるかと思いますが、やはり世界をリードしている各産業界のトップクラスのKeynoteセッションへの参加や実際の商談が主な理由となっているのでしょう。

以下のグラフは産業別の来場者の割合を示したグラフです。2017年と2019年を比較するとネットワークインフラベンダーの来場者が減り、一方でアプリケーション・ソフトウエアや製造業の来場者が激増しています。MWCはその名のとおりモバイル系の展示会という名目でスタートし数年前まではインフラベンダーが展示会場のメインとなっていましたが、昨今はモバイルインフラというよりはモバイルを活用したソリューション、アプリケーションサービスが注目されていることがこのグラフから伺えます。

以下は2019年の来場者が興味を持ったトピックについて示したものであり、アプリ/モバイルサービス、AI、ビッグデータなどが注目されていることがわかります。恐らくこの傾向は2020年も続くでしょう。

出典:GSMA MWC2019 Report

以下は来場者の出身地域の割合を示していますが、2017年からほとんど変動がありません。日本を含むアジアに関しては全体の15%程度を占めています。地理的に展示会場に比較的近いヨーロッパからの参加率が高いことは理解できますが、それでもアジアは北米よりも高い割合で参加をしています。日本からの来場者は全体の2%、約2,000名であり世界で9番目に参加者の多い国となっています。

以上のようにMWCには毎年10万人以上の来場者があり、様々な産業からシニアレベルが多数参加していることから、MWC会場では展示会やセミナーへの参加とは別に現地でのビジネスの交渉が頻繁に行われています。むしろビジネスの交渉を目的に参加している企業も多々あります。また、MWCが開催される週には世界各国でモバイル関連のプレスリリースが多数発行されます。

2020年の見どころ

今年も昨年同様に多数の企業が参加をする予定であり、日本からはドコモ、NEC、ソニーモバイルコミュニケーションズ、アルチザネットワーク、JETRO等30社以上の企業が参加します。また、グローバルではVerizon、Telefonica、Vodafoneといった通信事業者の他にもGoogle、Facebook、Amazon Web Serviceなどのプラットフォーマも参加します。

今年のイベントの見どころは以下のとおりいくつかありますが、やはり何といっても5G関連でしょう。5Gは既に世界で50社以上の通信事業者がサービスを開始していますが、今年のMWCでは5Gを利用した具体的なサービス、ソリューションなどが多数紹介されることが想定されます。また、5Gと合わせて注目されているAIやアプリケーションと合わせた今までにない新しい考え方やサービスなども発表される可能性があり、2020年2月24日からの4日間は目が離せませんね。