2020年1月7日より開催される世界最大の家電見本市CESとはどのようなものなのか、そして、あのアップルも約30年ぶり参加する予定の今年2020年の見どころはどんなところなのか?CESは世界中で注目されており、かつ日本からの参加者もかなり多くなっています。
この記事ではCESの開催地、規模、展示内容、参加方法などの基本情報やどのような人たちがCESに参加しているかなどの統計情報をわかりやすく解説しています。
CESとは
CESの概要
CESは、「Consumer Electronics Show」の略で毎年1月にアメリカのラスベガスにて開催される世界最大の家電見本市であり、1967年から開催されています。展示会場の敷地面積は約270,000平方メートルと広大であり、東京ドーム約6個分にも及びます。
この世界最大の家電見本市CESは、その名のとおり家電の展示会という形で始まったのですが、近年の参加企業は製造業、サプライ、家電ハードウェア、コンテンツ、配送・配信システム、モバイル、オートモービル等、様々なマーケットに及んでいます。CESはアメリカのコンシューマー技術協会(CTA:Consumer Technology Association)が主催しており、この団体名称は2016年まではコンシューマー・エレクトロニクス協会(CEA:Consumer Electronics Association)でしたが、参加企業やマーケットの変遷に合わせて団体名称もより多くの業界に対応すべく変更をしています。
CESの規模は世界最大級ということもあり非常に大きく、2019年の実績では4,500以上の企業が展示を行い、250以上のカンファレンスセッションが開催されています。そして驚くべきなのは来場者であり、世界160か国以上から約170,000人が参加をしています。これは、毎年2月末頃にスペインのバルセロナで開催される世界最大規模の携帯通信関連見本市(MWC:Mobile World Congress)の来場者数の約1.7倍にあたります。メディア関係者の参加者だけでも6,000名を超えるとされていますので、世界中で注目されている展示会といってもいいでしょう。
今年のCESは2020年1月7日から1月10日まで(メディア向けに1月5日と6日)ですが、日本からも多数の企業が参加をする見込みです。現時点の予定では、NTT、京セラ、ソニーなどもモバイル系や、トヨタ、日産、本田などオートモービル系、その他では楽天や福岡市なども参加する予定となっています。
CESに参加するためには
CESに参加するためには事前登録が必要です。事前登録はCESのホームページ(https://www.ces.tech/)の上部にある「LOGISTICS」を選択し、その中にある「Registration Information」から行う必要があります。
以下のとおり、他の展示会同様に見学内容や参加したいセッションによって料金が分かれています。これだけ大きな展示会であるわりにはとてもリーズナブルな金額となっています。
入場券の準備の他に重要となるのは宿泊施設の予約です。ラスベガスはもともとアメリカでも有数の観光地であるため相応の数の宿泊施設がありますが、CESの時期になるとやはり金額が高騰しますので早めにリーズナブルな宿泊施設を予約しておくことが良いでしょう。
CESではどのような展示が行われ、どのような人が訪れているのか?
過去の主な展示内容
CESでは、これまで様々なテクノロジーやサービスが発表されてきました。以下はその一部になりますが、今では当たり前のように使われているDVD、ブルーレイ、タブレット端末、アンドロイド。3Dプリンターなどがあります。CESで新しい技術、サービスを紹介し来場者を惹きつけることがその後のデファクトスタンダードにつながる可能性が高いということも、企業が積極的に参加するモチベーションになっています。
CESの主な来場者
以下は、2019年の来場者の分析です。約170,000人の来場者のうち米国内からの来場者が約60,000人、海外からの来場者が約110,000人であり、世界で注目されていることが伺えます。
世界のシニアクラスが多数参加するCES
驚くべきことは来場者の役職です。以下は2019年の来場者のうちシニアレベル以上の割合を示したものです。シニアレベルの来場者は79,000名で全体の45%を占め、社長、代表クラスが全体の10%以上となっています。CESでは多数のセッションや用意されているのと共に、各企業とも最新のテクノロジー、ソリューションを展示しているので各社のトップクラスもCESに注目をしていることが伺えます。2018年Fortune 500の企業のうち307社が来場しているという実績を見てもその注目度が高いということがわかります。
アジアは世界で最もCESに関心を持っている
CESには世界中からたくさんの人が来場しており、中でも日本は2019年実績では中国、韓国について7,000名以上の人が来場しています。昨年半ばから続いている米国とHuaweiの問題などがあり今年の中国からの来場者にどの程度影響がるかわりませんが、いずれにしてもアジアが世界で最も来場者の多い地域であるといえます。
CESにはどのような業界の人が参加しているのか?
どのような業界の人がCESに参加しているのか、2019年の実績を示した表が以下になります。見てのおとり昨今話題となっているAI、スマートホーム、ウェアラブルなどが上位に位置し、2019年から一気に普及してきた動画サービスやドローンについてもランクインしています。このようにCESは、市場で普及するであろうもしくは普及しつつある製品、サービスを提示しているという実績があることも世界中で注目されている理由の一つです。
2020年の見どころ
2020年はやはり5Gに関連するソリューション、サービスが増えてくることが想定されます。5Gは2018年秋から米国でスタートし、2019年末時点では50以上の通信事業者が世界各国でサービスを開始しています。従って、この5Gを利用したサービス、例えばAR/VR、自動運転、スマートホーム、ドローン、スマートファクトリーなどが取り上げられ、かつこれらがコンセプトレベルではなく2020年にもサービスが提供できるレベルで展示されることが想定されます。
その他では、ロボットの活用や各分野におけるオートメーション化など、これまで人手を要していた作業、仕事を効率化するようなソリューションも期待したいところです。また、今年はアップルが約30年ぶりに参加しスマートホームシステムについて展示を行うということもあり、昨年以上に注目がされています。